第1期(2007-2008年度) 会長のメッセージ

日本アミノ酸学会設立にあたって

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 新世紀の到来と共に世の中を席巻したアミノ酸の大流行には目を見張るものがありました。いまでは一般の人々、大人も子供もアミノ酸という言葉を気軽に口にするようになりました。現代人の最大の関心である健康ブームの中にあって、アミノ酸というものが私たちの健康に果たす真の役割、その機能性や安全性について専門家の間での正確、かつ広汎な情報交換がますます重要になってきています。

 そもそも、アミノ酸は新たに出現してきた物質ではなく、私たちの生命を支える基本物質であり、非常に古くからよく知られてきた化学物質であります(最初のアスパラギンの発見は実に1806年にさかのぼります)。ここしばらく、アミノ酸の知識というのは確立しきった感がありました。けれども最近になり、また新たな研究の展開が胎動を始めています。多様な種類のアミノ酸は体の中でそれぞれ独自の顔を持っており、その新しい機能が次々と明らかになってきています。また、タンパク質まで含めるとまさに無限の広がりを持つことになりますし、ペプチドはアミノ酸とはまたひと味違った、非常にユニークな領域を形成しています。とてもシンプルな物質群でありながら、まさに生命科学の中心に位置しています。今やとどまるところを知らない現代の遺伝子関連技術やオミクス関連技術、またバイオインフォマティクス等の発展は、この複雑なアミノ酸の真理を高い次元で統一的に理解する可能性を提供してくれています。

 永らく我が国のアミノ酸研究の中心的存在であった必須アミノ酸研究委員会は、戦後国民の食生活の改善を目指して組織された厚生省(当時)の研究プロジェクト「必須アミノ酸資源の利用に関する研究」(1956年)を前身に作られました。アミノ酸の製造や開発を行っている企業団体(必須アミノ酸協会)による支援のもと、タンパク質栄養学の発展に主導的な役割を果たしてきた栄養学者、アミノ酸代謝と疾病の研究に携わる基礎・臨床の医学者、そして最近ではアミノ酸による免疫系・神経系・循環系等の制御を遺伝子レベルで解析する分子栄養学者、分子細胞生物学者などがこの委員会に集い、研究交流を続けてきました。委員会は昨年50周年を迎えましたが、これを機にこれまでの蓄積を踏まえ、さらに我が国のアミノ酸研究を活性化し、研究の裾野を広げる新時代の交流の場とすべく、「日本アミノ酸学会」としてよりオープンな形で再出発することと致しました。

 新学会では、世界をリードするアミノ酸製造・開発技術の優位性を活かし、我が国のアミノ酸研究の活性化と国際的評価の確立を図ることを中心に、他の研究団体との連携、産学協同の推進、若手研究者の育成、アミノ酸に関するアウトリーチ活動など、幅広い活動を展開して行きたいと考えます。この伝統ある委員会の長所である自由な討論の雰囲気(人はそれをサロンと称する)を忘れることなく、21世紀の研究団体として、研究者、企業、社会のニーズに応える開かれた学会にしていきたいと考えます。是非とも多くの方々の参加をお待ちしております。

2007年4月1日
日本アミノ酸学会会長
門脇 基二

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