第2期(2009-2010年度) 会長のメッセージ

第2期会長就任にあたって

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 この度、第2期(平成21、22年度)の新役員体制が始まり、第1期を引き継ぎ、会長として選任いただきました。

 今期も強力な役員諸氏に恵まれましたので安心しておりますが、さらに2年間の舵取りという大役を仰せつかり、身の引き締まる思いです。なにとぞよろしくお願い申し上げます。
 第1期におきましては、2度の学術大会が素晴らしい成果を上げることができました。アミノ酸が社会の流行語になった勢いを得て、そのアミノ酸研究の新たな集大成を目指した本学会は、多くの方面の関心を呼び、その新しい機能性への期待を込めた沢山の研究が発表されました。これを受けて、第2期においては以下のような活動を計画しております。

1.アミノ酸研究基盤の充実と啓蒙活動
 本学会活動としては、なんと言っても毎年の学術大会と各種シンポジウムの実施が柱となります。今年は、学術大会として9月29、30日京都府立大学での第3回大会(金本龍平委員長)、夏のシンポジウムとして7月19日福岡県太宰府の二日市温泉(古屋茂樹世話人)が予定されています。会員の皆様の多数のご参加を希望いたします。
 また、本学会初の出版活動として「FAO/WHO/UNUタンパク質・アミノ酸必要量」の翻訳(岸 恭一委員長)を行い、5月に医歯薬出版から出版されました。このテーマはまさにアミノ酸研究の基礎中の基礎テーマであり、50年に及ぶ必須アミノ酸研究委員会でも終始議論が交わされ、未だに終わっていないテーマであります。22年ぶりの改訂作業に伴い、本学会として翻訳を実施しました。会員の皆様には無料で配布いたします。引き続いて、ハンディなアミノ酸情報源として「アミノ酸資料集(平成22年度版)」(長沢孝志委員長)も編集作業に入っております。
 さらに、アミノ酸の用語表記の統一に関する議論、SIトレーサブルなアミノ酸標準に関する議論も課題としてあがってきております。前者は非英語圏で翻訳文化を持つ我が国固有の根深い問題でありますが、政府レベルでの自動翻訳装置開発が俎上にのぼる昨今、早晩対応を迫られる問題です。後者はバイオメディカル計測の世界標準というまさにグローバルな新しい課題でありますが、世界のアミノ酸の生産と供給に責任を持つ我が国が率先して提言していくべき課題です。いずれも大きな背景を持つ課題で、本学会のみの努力で解決する問題ではありませんが、今期から始めるべき課題として提案させていただきます。

2.学際化活動
 本学会はアミノ酸に特化した学会ですので、アミノ酸が進出している各分野での専門学会との交流が重要なキーになると思います。そうした中で早速この7月には、日本外科代謝栄養学会との合同パネル討論会「アミノ酸研究:基礎と臨床が奏でるシンフォニー」(7月10日)が実現することになりました。大会会長の三村芳和先生(東京大学)に深く感謝いたします。今後、さらに他の関連学会との交流も推進していきたいと考えます。

3.国際化活動
 この秋タイ・バンコックで開催される19th International Congress of Nutrition (ICN2009) で、サテライトシンポジウム
“Advanced Knowledge of Amino Acid Research in Human Health and Disease”を開催いたします(10月 4 日)。今回は米国のアミノ酸栄養学の泰斗Dennis M. Bier博士の協力を得て、最新のアミノ酸研究の情報交換をするまたとない機会が得られました(日本栄養・食糧学会、国際アミノ酸科学協会の共催)。昨年の台湾でのACNに引き続き、海外での国際会議に積極的に本学会として参加することで、ぬるま湯でない研究交流を推進していくことができるものです。現在のアミノ酸利用の広がりの趨勢から、今後はアジア地域での研究者が増えることが予想されます。将来は是非とも本学会として国際会議を開催するよう推進していきたいものです。

 本学会の当初の目的である、最先端の研究推進と新しい知識の社会への広がりを仲介する。こうした研究者の集まりは、少なくともアミノ酸に関しては世界中見渡しても本学会のみであります。今後英文ホームページの作成を始め、海外に発信していくこともきわめて重要な道であると思います。会員皆様の強力なご支援、ご協力をお願い申し上げます。

2009年6月1日
日本アミノ酸学会会長
門脇 基二

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